医師と体臭外来

体のニオイである体臭は、皮膚の汗腺や皮脂腺の分泌物から生じる臭い、体調や身体の不健康を表すバロメーター、食文化や食習慣が形成する個性でもあります。体臭には非常に個人差があり、またニオイに対する感度も人によって様々であるため、比較的ニオイに敏感な人は自分の体臭や他の人の体臭も気になりますが、ニオイに鈍感な人は自分のニオイも他の人のニオイも気にならず、むしろ周りの人に自分の体臭で不快な思いをさせてしまっていることもあります。

日本人の体臭は比較的マイルド、体臭が弱い民族であると言われていますが、抗菌や防臭を好む国民性からも分かるように特に無臭志向にあります。そのため自分が放つ体臭が余計に気になったり、神経質や過敏になったりする傾向が強い側面もあるようですが、体臭に悩む本人にとっては、体が臭う…、周りから臭いと言われた…、臭いと思われているのではないか…、といった体臭に対する不安や猜疑心は大きな心理的苦痛です。家族や友人にも相談できない状況やどんどん孤立化してしまう事態は、体臭というひとつの悩みが自己存在の問題や社会性に障害をもたらしかねない大きな問題となりうることもあるのです。

近年は医療の機能分化・細分化が進み、よりピンポイント的に専門領域を追求した外来が増えています。専門外来は今まで自分の症状が気になっていたのに医療機関を受診できなかった患者さんのニーズに応え、患者さんの身体的健康を取り戻すことで心の健康、社会復帰、QOLなどをサポートする大きな意義を持つ領域です。羞恥心を伴う領域にこそ医学的な根拠や知識に基づいた信頼のある正確な情報や、より効果的な治療を提供できる専門医師が求められているのです。

しかしながら体臭に関しては異常な汗をかく多汗症やそれに伴うワキガを原因とする体臭の場合には皮膚科や美容外科、ストレス性の原因が関係している場合には精神科など、実際には‘体臭’という領域を専門としている医師・病院は非常に限られます。場合によっては「体臭は個人差」ということでお茶を濁されることも少なくないため、専門医のいる体臭外来が今後増えていくことが望まれます。

キタナイ…、恥ずかしい…、人に知られたくない…、どこに相談したら良いのか分からないという思いが強い診療領域に関しては、完全予約制、WEBによる相談窓口、周りの人に相談内容が知られないような工夫、受診しやすい雰囲気作り、より深い部分での患者さんに対する理解やコミュニケーションの取り方など、一般診療とはまた違った患者さんへのプライバシーの配慮や治療のアプローチを図ることが求められます。

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